表色系変換について
はじめに
テレビやパソコンで色を表す場合は、RGBの3つの値を用います。しかし、色の表現には他にもマンセルなど色々の方法があります。マンセル値は印刷物や染色物の色を表す場合に多く利用されています。また、XYZ(三刺激値)は色を測色する場合に使われる値です。
これらは、いづれも数値で表せますので、言葉で曖昧に表現するよりは、色を厳密に定義できるのですが、いざ具体的にどんな「色」かというとはっきりしません。
RGBといっても液晶ディスプレイなどによって微妙に色が異なります。マンセルでは色見本の購入が必要です。測色機を買えば済むかもしれませんが、色々と種類があるし、なによりも高価です。
もっと大きな問題があります。それは、カラーモニターの色は光源色であり、印刷物・染色物などは物体色であることです。このため、現状では染色物をカラーモニターに、近似は可能でも同一に表現することは大変困難なのです。
このように厳密な問題は、今後技術の進歩に期待することにして、現在のできる範囲で、これらのを検討してみました。
相互変換で問題となるのは、表示系が異なると、変換は近似式を利用するため、値にズレが生じることです。逆に同じ表色系の間ではズレはありません。ただし、入力する値の桁取りで生じることはあります。
それから、マンセルとXYZ間の相互変換は、本当は多数のデータ(マンセル表)で計算しますが、ウェッブ上ではパソコンへの負荷が大きく避けています。
今回は、以下の表色系での相互変換ができるようにしました。
<表示記号> <表色系の種類> <備考>
1 XYZ CIE系 測色で入手する値
2 Yxy CIE系 測色で入手する値
3 L*a*b* CIE系 測色で入手する値
4 HVC マンセル 色見本
5 hls PCCS(日本色研事業) 色見本
6 HSV RGB系 RGBから計算する
7 sRGB_Dec RGB系(10進) カラモニターに表示する
8 sRGB_Hex RGB系(16進) カラモニターに表示する
利用方法
マンセル値(HVC)の例で説明します。
マンセル表色系を選択します(右覧のラジオボタンをクリックする)。
光源D65、Cの選択はCIE系の値のときに必要です。
白枠にHVCの各々の値を入力します。入力と同時に画面の色表示枠(左)には「色」が表示されます。
「COLOR KEEP」ボタンを押すと色表示枠(右)に複製されますので、他の色を設定したときは、その色との色差情報が得られます。
具体的な操作方法は、メニューの「表色系変換」でも説明しています。
他の表色系でも同様の操作です。これにより、XYZやLabなど一般の方には馴染みのない値も、どんな色かを知ることができます。
もちろんバーチャル(仮想現実)の世界のことですが。
より具体的な例としては、「7.色の不思議」における現象・効果では、色相・彩度・明度の微妙な調整に活用できます。
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