色差について
はじめに
2種以上の色があると、色の比較をしてみたくなります。かなり曖昧ですが「より明るい」とか、「赤みが強い」とか、などです。
一方では、色の差の大きさを比較する場合があります。「色が褪せた」などのように製品の規格では「色の差」の程度が重要です。
このような色差を求めるには、比較する各々の色の数値を求める必要があります。さらに、その数値とは、CIELab系が一般に利用されています。
しかし、研究所などを除いて、Lab系の値は簡単には入手できません。測色機を購入すればよいのですが、高価で一般的ではありません。
そこで、パソコンのカラーモニターを利用することにしました。
まずパソコンに好みの色を2つ並べます。それぞれについて、「表色系変換」でLabを求めます。
後は、色差の計算をするだけです。
厳密にはL*a*b*表色系による色差(*は小さく上付き)、CIEは国際照明委員会のことです。
色差の計算方法
今、1番目の色と2番目の色のL*a*b*が知られているとき、色差の計算は次のようにします。
L* a* b*
1番目の色 40 45 3
2番目の色 43 50 5
1と2の差 3 5 2
色差=(3×3+5×5+2×2)の平方根
=38の平方根
=6.16
L*,a*,b*それぞれの差をdL,da,dbのとき、色差dE*は、
dE*=sqr(dLxdL+daxda+dbxdb)
=6.16
ただし、sqrは平方根を求める意味です。
もちろん、面倒な計算はすべてパソコンが行います。
色差値の評価
色差値(dE)はNBS単位(米国標準局)で以下のとおりです。
dE* 色差の感覚
0 〜0.5 Trace かすかに感じられる
0.5〜1.5 Slight わずかに感じられる
1.5〜3.0 Noticeable かなり感じられる
3.0〜6.0 Appreceable 目だって感じられる
6.0〜12 Much 大きい
12以上 Very Much 非常に大きい
利用方法
「色差シミュレータ」には左右に色表示枠があります。そして、これらの色はスライダーで好みの色に設定できます。その上で、「CALC」ボタンを押すと2つの色の色差値が表示されます。
これは、画面に表示する色を「表色系の相互変換」によって、Lab系に変換することで実現しました。
具体的な操作方法は、メニューの「色差シミュレータ」でも説明しています。
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